談合は悪ではない。リニア新幹線「2027年開業」が難しすぎる理由

2027年開業まで10年を切ったリニア中央新幹線。昨年末の大手ゼネコン談合疑惑が間接的に影響して、間に合わなくなる懸念が出てきたという。

岐阜県中津川市には中間駅ができ、加えて世界最大の車両基地もできる。大いに期待している。

しかし、まさかのゼネコン談合疑惑。夢の国家的プロジェックトに味噌がつき、灰色のプロジェックトになってしまった。JR東海にとってはとんだ災難である。

JR東海発注の工事であるので、極端な言い方をすれば、工区ごとの随意契約が実態で、表向き競争入札の形をとったといえば言い過ぎだろうか。談合がいつまでたっても無くならないのは、業界内の方ならご存知だろう。悪が行われているわけではない。必然的に談合となるのである。設計段階で、ゼネコンは深く関わっている。ゼネコンの技術支援がなければ設計ができない。

談合が許されないのは、国の融資も入っているので、談合による高値での落札は、国民の不利益となるということ。本来競争によりもっと価格が下げられたということ。建前としてはそういうことでしょう。

しかし、ほとんどがトンネル工事のリニア中央新幹線は、ものすごいリスクを背負いながらの受注である。

自衛隊員がPKO活動などで海外で一人亡くなられたら、総理の首が飛ぶかもしれない。

しかし、建設業界においては、足場からの墜落その他事故で、年間三~四百人と亡くなられている。毎日毎日日本全国のどこかの建設現場で死亡者が出ている。お施主さんのお気持ちを考えてほとんど報道されない。

もし、毎日毎日、建設現場での死亡事故がテレビで報道され続けたら、建設業が「殺人業」になってしまうでしょう。

まさしく命がけの業界。また、工期が決まっている現場、休日なども極めて少ない。談合により甘い汁を吸っているというイメージが先行すれば、実態とかけ離れたもので、現場の士気は下がってしまう。

東京オリンピックの各種プロジェクトもエンブレムから始まり、ほとんどに味噌がついてしまった。リニア新幹線も然り。

夢のプロジェクトの士気を上げる!という発想は今の日本にはない。

下り坂こそ日本の未来に似つかわしいという潜在意識が働いているかのようだ。

どうせ、陰で悪いことをしているのだろう・・・文春砲が代表しているのだろうが、「人を信じ、人を愛し、人を許せ」ではなく「人を信じない、人にケチをつける、人を許さない」それが日本の基本スタンスのようだ。



この記事は幸福実現党岐阜県本部代表加納有輝彦さんのブログ「一憂国者の紙つぶて」よりご寄稿頂いたものです。

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