「あそこの店は対応が悪いから潰れるだろう」という勘違い

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世間話で「あそこの店は店員の対応が悪いからすぐ潰れるだろう」という話が出たりします。それは果たして理にかなっている仮説なのでしょうか?
まず数学的に考えてみましょう。例えばあるビジネスでスタッフ1名に対し顧客1名とスタッフ1名に対し顧客5名という状況の場合、どちらがきめ細やかな対応ができるでしょうか?当然前者の「スタッフ1名に対し顧客1名」の状況ではたった一人の顧客のサービスさえ考えていればいいので、様々なことに気が付くことができ、きめ細かい対応を提供できる状況であることは明白です。
では一方でどちらが良いサービスを提供していると思われるでしょうか?タッフ1名に対し顧客1名が集まっているビジネス。スタッフ1名に対し顧客5名が集まっているビジネス。料金やサービス内容によってそれは左右されますが、もし同じ料金で同じサービスを売っているとしたら、多くの人は当然後者と判断するでしょう。
これを踏まえてみると「あそこの店は店員の対応が悪いからすぐ潰れるだろう」という仮説かなり危ういものと考えられます。通常ビジネスというものは良いサービス創り上げ、適正な料金で提供し、顧客からの支持を多く得れば得るほど、顧客1名に対してのきめ細かい対応は難しくなるのです。
しかし日本では過度な「お客様志向」の文化があるため、どれだけ顧客が増えてもきめ細かい対応をしよう、と努力し続けるお店や企業が多いのです。顧客が増えることの労働量増加に加え、顧客1人1人に対しきめ細やかな対応を崩さない労働量は想像絶する企業努力です。
が、顧客側(特に日本人)は最高の対応と最高のサービスや商品ばかり要求し労働者側を疲弊させている状況ができています。少しは顧客側がこのような状況を理解し、過度なお客様志向が緩むような社会になれば、もう少し日本人のストレスも軽減されるかもしれません。
「あそこの店は店員の対応が悪いからすぐ潰れるだろう」なんて理にかなわない仮説をたてる前に「あそこの店員は対応が悪いけど、あれだけいいサービスを提供してくれてるし、忙しいから仕方ないね」という気遣いを持てるようになれば素敵な社会になると思いませんか?
(記事:Yan!Yam!)

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